基礎から学ぶガラスコーティングについて






私のパソコンを使った手造りのデータベースのことを話すと、パソコン通信でアメリカの法律関係のネットワークを呼び出し、表示装置で見せてくれた。
N証券のある内部情報によると、八七年九月期決算では、収益計上は四九三七億円だったが、実際には五一○○億円以上の利益をあげているという。
その差額約二○○億円は、激増している「事故」や顧客からのクレーム対策に当てているという。
その対策に当たっている本社検査部では、とくにT化学の事件以来、「事故」があいつぎ、個人投資家からのクレームにはとても対応できない状況にある。
これは、W弁謹士が「持ち込まれる事件は、このところNにかかわるものがふえている」というのとも一致していた。
W弁護士はいった。
「証券会社は、犠牲になっている大衆投資家のことなんて、ぜんぜん眼中にない。
下手なことをすると訴えられて損するということがわかるように、痛い目に合わせないと直らない。
だが、裁判を起こすと、いろいろ費用がかかり、裁判をやっても長いこと引き延ばされ、原告の方が疲れちゃって、まあまあのとこした。
この一報じられた。
ろで示談になる」W弁護士がかかわった裁判の訴状や判決などとともに、N証券の関係者から直接聞いた事実をもとに、N証券の不正取引行為の実際を見よう。
彼が代理人をつとめて、N証券を痛い目に合わせた例がある。
日本でははじめてのケースだが、残念ながら痛打をあびせたのは日本人ではなかった。
東京都練馬区土支田に在住のダンナ・シング・ベインズというインド人の投資家だった。
彼は、セールスマンの無断売買によって五三四七万円余の損害を受けたと、N証券を相手取って損害賠償を求めて訴えていたが、東京地裁は、八七年一月三○日、一七○四万円余を賠償しろとの判決をくだた。
このことは、六日後の二月五日付『A新聞」でも、「N証券、無断売買で敗訴」という見出で地裁判決では、訴えの一四回にわたる無断売買のうち一○回近くを認めたが、原告(ベインズ)は残りの無断売買についても地裁判決に納得できず、現在は東京高裁で裁判がつづいている。
彼は、もともと何人かの弁護士を通じてN証券と折衝していたが、相手の無責任な態度にがまんできなくなり、W弁謹士を代理人に告訴したものだった。
いま、ベインズ夫人はいう。
「N証券の話がだんだん変わり、あまりにひどかった。
誠意がなく信用できなかった。
私たちは脱税しているわけでもなく、悪いことをしているわけでもない、どこへ出ても困らないと裁判に訴えた。
だけど、私たちは日本人でないから、もう書かれたくない」地裁判決によると、N証券新宿Nビル支店の若手セールスマンのY健介が、八四年一月に突然、原告宅を訪問し強力に勧誘。
原告は同支店に口座を設けたが、Yはベインズ夫妻からの注文がないのに無断売買をおこなって、原告の口座から売買差損額、手数料などの名目で引き落としていた。
原告は、本店から売買報告書が送られてきて、はじめて売買の事実を知ることが多く、Yに抗議した。
「損して売買している」というと、Yは「安いのがあったから買っておいた」「儲かるから買っておいた」などといいのがれるばかりだった。
また「公募株で埋め合わせをする、弁償する」などと約束した。
公募株は、後述のように、株式の発行市場を握るN証券などが、株式を発行する企業と結んでぬれ手でアワの儲けをえるものになっている。
その儲けのおこぼれを餌に抗議をかわそうとしたが、この約束も口先だけだった。
電話で抗議すると、惑「お客はあなただけじゃないんだ」という一言葉まで返ってくる始末だった。
の原告の強い抗議で、ようやく、セールスマンのYが上司の支店営業次長の森山治彦とともに原告宅を秘訪れた。
この両日の事実について、判決はつぎのように述べている。
ダイ〈森山は昭和五九〔一九八四〕年五月七日及び八日、Yによる無断売買に関する原生ロのクレームにつサンいて話し合うために原告宅を訪れたが、その際、森山は、四月一日買い付けのM石油一五万株以外卸はYが無断で買い付けたものであることを認めた上で、原告に対し、Yの将来のことを考えて本社嘩村め合わせしたいことなどを申し入れたことが認められ、これに反する証拠はない〉野被告のN証券側は、無断売買ではなく「ベインズさんの奥さんから注文がでていた」などと反論して章いたが、判決は被告の反論を退けた。
原告は、被告があまりにもいいのがればかりなので信用できないと幹思い、やむなく非常手段をとった。
マントルピースのなかにテープレコーダーをセットしておいたのだ。
その録音テープが法廷に提出され、決め手となった。
なる。
無断売買のよくある手口は、証券マンなら相場のプロで儲けさせてくれるだろうという、一般投資家の信頼や期待感を逆手にとるもの。
大衆投資家は、「売り」か「買い」かの投資判断をセールスマンのいいなりにまかせがちになる。
そこが付け目で、無断売買をやってもクレームがつかないだろうと見込んでやってのける。
セールスマンにとっては、クレームをつけられるかどうかの見極めがウデのためしどころとさきの『A新聞』の記事には、〈客に無断で売買することは絶対にあってはならないことで、営業マンに一部落ち度があったようだ〉という〈N証券広報室の話〉がついている。
だが、実際は、さきにベテランのセールスマンが「N証券はトルコ風呂と同じですよ」といっていたとおりである。
会社は社員にやらせておいて、いざクレームがつき責任をとる段になると、セールスマンかせいぜい支店長につめばらを切らせる。
この事件のセールスマンも営業次長も、実際には被害者だった。
数ある無断売買のなかで、この事件はまれなケースだった。
たいがいは、セールスマンが電話でやりとりするので、裁判になっても「いった」「いわない」の水かけ論にされてしまう。
たとえ電話の録音テープがあっても、「そのときはそうだったが、あとの話で変わったのだ」などと逃げられてしまうという。
手数料稼ぎの犠牲になる個人投資家無断売買は、潜在的にはかなりあるとみられるが、株価が一本調子で上げていたときには、投資家にも若干の儲けがある場合もあり、表面化しない。
だが、暴落につぐ乱高下となると、とんだ損失をかぶせられて、投資家の被害が表面化することになるだろう。
むろん、客が損しても得しても、無断売買が基礎的な違法行為であることには変わりはない。
まして、無断で損失を出せば、客が「そんなもの知らない」と無断売買の被害は、相場に素人の投資家にかぎったものではない。
ちゃんとした投資判断ができるベテランでも、すでに無断売買の損失をかぶせられている。
そうした事例をもう一つ、見ておく。
やはり、W弁護士が代理人をつとめている事件で、すでに東京地裁で結審となり、まもなく判決が出る。
この事件の原告はある税理士だった。
訴えられた被告は、N証券と千葉県柏市にある柏支店のM俊一支店長と支店従業員のK啓一だった。
原告は、柏支店に口座を設けて、外国債や転換社債などに投資していたが、支店長らに勧誘を受け、八六年四月二日に、国債の先物取引の口座を設けた。
訴状はつぎのように述べている。
いっても当然だ。
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